2008年01月14日

包帯クラブ(天童荒太)

包帯クラブ The Bandage Club (ちくまプリマー新書)
包帯クラブ The Bandage Club (ちくまプリマー新書)天童 荒太

おすすめ平均
starsなんという諦観
stars映画→小説の順が○
stars切ないけど、スカッとした物語。
stars誰もが伝えて欲しいもの
stars映画も見たよ

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【本】
 包帯クラブ

【作家】 ※●は代表作
 天童荒太永遠の仔

【ストーリー】
 傷ついた少年少女たちは、戦わないかたちで、自分たちの大切なものを守ることにした…。いまの社会を生きがたいと感じている若い人たちに語りかける長編小説。

【感想】
 傷ついた心を癒す。そのため、傷のきっかけとなった場所を包帯で巻いていく。そんなクラブの物語。

 心が傷ついても、その傷は目には見えない。だから見て見ぬふりをして過ごしてしまう。傷と正面から向き合うことからついつい避けてしまうからだ。でも、それではいつまで経っても傷は癒されない。だから、まずは心が傷ついていることを認めることが大事で、そのための象徴として目に見える包帯を巻いていく。

 生きていくということは、とても大変な事だ。楽な人生なんて、きっと一つもない。だから、少なからずみんな傷つきながら、それでも生きている。そんな人生の傷を認めつつ共生していく。この生き方はとても前向きだと思う。

 決してスケールの大きな物語ではないけれど、その分身近でリアリティーがある一冊だった。
 「俺は楽をしようとして、いつも面倒くさいことから逃げて生きているなぁ。。。」
 と反省をしつつ、本作の映画版も近いうちに見てみようと思った。

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タグ:小説 鑑賞
posted by 鉄蔵 at 23:14 | Comment(0) | TrackBack(0) | 本(小説)

2008年01月12日

グラスホッパー(伊坂幸太郎)

グラスホッパー (角川文庫 い 59-1)
グラスホッパー (角川文庫 い 59-1)伊坂 幸太郎

おすすめ平均
stars緻密
stars健太郎と孝次郎
stars微妙でした
stars気持ちよかった。
stars以外に1番好き

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【本】
 グラスホッパー

【作家】 ※●は代表作
 伊坂幸太郎重力ピエロアヒルと鴨のコインロッカー

【ストーリー】
 「復讐を横取りされた。嘘?」元教師の鈴木は、妻を殺した男が車に轢かれる瞬間を目撃する。どうやら「押し屋」と呼ばれる殺し屋の仕業らしい。鈴木は正体を探るため、彼の後を追う。一方、自殺専門の殺し屋・鯨、ナイフ使いの若者・蝉も「押し屋」を追い始める。それぞれの思惑のもとに―「鈴木」「鯨」「蝉」、三人の思いが交錯するとき、物語は唸りをあげて動き出す。疾走感溢れる筆致で綴られた、分類不能の「殺し屋」小説。

【感想】
この本は『殺し屋』たちの物語です。なので『殺し屋』というキーワードをwikipediaで調べてみました。すると
”殺し屋(ころしや)とは、殺人を請け負うことで金銭的利益を得る者。刺客(しかく)、ヒットマン、暗殺者(あんさつしゃ)ともいう。”
と書いてあります。つまり”誰かを殺して欲しい、だが自分では殺したくない。じゃぁ、お金を払って誰かに殺してもらおう!”と思う人が居て始めて成り立つ職業です。

・・・。
「誰かを殺して欲しい」って本気で思ったことありますか?
殺し屋業界と本作に描かれるほど多種多様な殺し屋達が、本当の実社会で成立しているとはとても思えないんですが、実のところどうなんでしょうか?
そんなに「人殺しのニーズ」ってあるものなのでしょうか?

”誰かを殺したい”というのは何となく分かるんです。直接的な怒りや悲しみから生まれる、極自然な感情だと。。。例えば、私の家族がひどい目に合わされたとすれば、普通にその犯人を殺してやりたいとい思うでしょう。でも”誰かに殺してもらおう”というのはそれとは全然違うと思うんです。単純な感情論ではなく、とても計算高い結論ではないかと。

本作はそんな我々の世界から見るととても異質な世界を舞台にした物語です。とはいえ、そこは伊坂幸太郎。なぜか我々の日常のすぐ隣で当たり前のように起こる出来事として物語を描きます。舞台は街の交差点であったり、普通の駅前であったり、極ありふれた住宅街であったり。読んでいるうちに私は思いました、「あれ?オレも街中で殺し屋さんとすれ違ったりしているの?」と。

こういった文章を読んでいると、伊坂幸太郎という人は「日常と非日常」や「現実と空想」といった境界線を取り除くのが本当上手いと思います。自分の世界観に読み手を引きずり込む上手さがあるんでしょうね。

ま、小難しい事は置いといて、この本を読んでください。そして
またやられちゃったよ!伊坂のどんでん返しに!
とちょいと悔しがってください。

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タグ:小説 感想
posted by 鉄蔵 at 00:51 | Comment(0) | TrackBack(0) | 本(小説)

2007年12月31日

2007年読書小説ベスト5!

重力ピエロ (新潮文庫)重力ピエロ (新潮文庫)
伊坂 幸太郎

ラッシュライフ (新潮文庫) オーデュボンの祈り (新潮文庫) アヒルと鴨のコインロッカー (創元推理文庫) 陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫) 陽気なギャングの日常と襲撃 (ノン・ノベル)

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今年読んだ小説は約35冊。
通勤電車内を中心に大体一週間1冊のペースで読んだ感じです。
(小説以外の仕事関係の本や雑誌なんかも読みますんで。)
近くにある古本屋のチェーン店さんには大変お世話になりました。

ということで、今年も最終日ということで、
今年読んだ小説ベスト5
ということで、ランキングをつけてみました。

 1.重力ピエロ    (伊坂幸太郎
 2.陰日向に咲く   (劇団ひとり
 3.ラッシュライフ  (伊坂幸太郎
 4.レベル7     (宮部みゆき
 5.オーデュボンの祈り伊坂幸太郎
 次点.ハミングライフ  (中村航

トップ5作品中3作品が伊坂幸太郎さん作品ということで、今年最も気に入った作家さんとなりました。冒頭からラストに向けて綿密に練られた数々の仕掛けの見事さ、軽快な会話のかっこよさ、魅力溢れる登場人物たち、どれをとっても一級品です。まだ読んでいない作品が多いので、2008年も読み続けたい作家No1です。

2位には話題になった劇団ひとりさんの「陰日向に咲く」を入れてみました。話題作ということを除いてもとても良く出来た作品だと思います。登場する一人一人の人物を個性豊かに描く筆力だけでなく、彼らの人生が絶妙に絡み合っているストーリー構成の素晴らしさ!この作品は芸人小説という1ジャンルを築きましたが、一般小説の中に入れても全く引けを取らない良く出来た作品だと思います。

4位には宮部みゆきさんの「レベル7」を入れました。宮部作品は結構読んでいますが、この作品は私の中のダントツ一位である「火車」に次ぐ宮部作品No2となりました。(これ、相当誉め言葉です。)冒頭の唐突なはじまりから、予想だにしないストーリーの展開はとてもドキドキさせてくれました。

ついでに次点として中村航さんの「ハミングライフ」をあげました。小説自体も軽快な語り口でとても良く、映画化もされた作品です。が、それに加えて同じ大学(芝浦工業大学)の出身ということで応援の意味をこめた次点です。

何事もお金をかけずに済ますタイプなので、映画はレンタル、小説は古本屋でもっぱら済ましています。そんな私の最近の悩みはなかなか読みたい本を古本屋で見つけられないこと。そんなときにネットオークションで出回る古本は便利なんですが、いかんせん送料が高くついてしまう。ま、セコイ悩みなんですけどねぇ。。。

来年も良い本に出会えることを祈って、読み終わった本は綺麗さっぱり古本屋へ売りに行きます。

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posted by 鉄蔵 at 01:14 | Comment(0) | TrackBack(0) | 本(小説)

2007年12月30日

オーデュボンの祈り

オーデュボンの祈り (新潮文庫)
オーデュボンの祈り (新潮文庫)伊坂 幸太郎

おすすめ平均
starsデビュー作。だけに文学的で今のエンタメ度は低し。
starsパッとしない
stars脅威のデビュ−作
stars美人女性を描くのが上手な作家
stars伊坂ワールド

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【本】
 オーデュボンの祈り

【作家】 ※●は代表作
 伊坂幸太郎(重力ピエロ、ラッシュライフ)

【ストーリー】
 コンビニ強盗に失敗し逃走していた伊藤は、気付くと見知らぬ島にいた。江戸以来外界から遮断されている"荻島"には、妙な人間ばかりが住んでいた。嘘しか言わない画家、「島の法律として」殺人を許された男、人語を操り「未来が見える」カカシ。次の日カカシが殺される。無残にもバラバラにされ、頭を持ち去られて。未来を見通せるはずのカカシは、なぜ自分の死を阻止出来なかったのか?

【感想】
この小説は「大人のおとぎ話」だ。ありえない世界。カカシが言葉を話し、悪人を撃ち殺すことを認められた男などが住む島が舞台である。
大人になった今だって思う事がある。
「未来が分かるなら、競馬で大金持ちになれるのに。」
「本当に悪い奴が、無期懲役なんておかしくないか?」
なんてことを。そんな子供じみた空想が(あくまで小説の中の世界ではあるが)現実となった世界が舞台の小説だ。

そんな話だからファンタジーなのかと思うと全く違う。そんな不思議な島でも強盗やレイプといった凶悪犯罪が存在すると描かれる。
伊坂幸太郎の作品は明るく・ポップな雰囲気が全体に漂う中、陰湿な悪の側面が必ず描かれる。彼は空想家でありながら、強烈なリアリストでもあるのだと思う。世の中を明るく楽しく描く一方、決して現実の負の側面にも目をそむけない。そんなバランスの取れた作風が多くの人をひきつける秘密かもしれない。

いつもながら作品全体の構成は見事としか言い様がない。主人公が島を散歩中に出会う島民の行動やセリフの一つ一つが、全てラストで解明される事件の真相に繋がっている。
こういった複雑に絡み合ったプロットを考え出せる伊坂幸太郎という人の頭の中を見てみたいものだ。ちなみに本作の主人公の職業はシステム・エンジニアであるが、伊坂幸太郎自身も元システムエンジニアである。そういう私もシステム・エンジニアの一人なので親近感は沸くのだが、こんな文章絶対書けないなぁ。。。

この作品、ラストで悪い奴が倒されてスカッとしたエンディングを迎える。こういった勧善懲悪な点もウケル理由のひとつなんだろうなぁ。日本人ってやっぱり水戸黄門的な話が大好きだからね。

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タグ:小説 感想
posted by 鉄蔵 at 09:13 | Comment(0) | TrackBack(0) | 本(小説)

2007年12月20日

アヒルと鴨のコインロッカー(伊坂幸太郎)

アヒルと鴨のコインロッカー (創元推理文庫)
アヒルと鴨のコインロッカー (創元推理文庫)伊坂 幸太郎

おすすめ平均
starsトリックありき、のお話・・
stars後味がちょっと悪い
stars因果応報は、本当か?
stars最後までドキドキした
starsカテゴライズに困る本

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【本】
 アヒルと鴨のコインロッカー

【作家】 ※●は代表作
 伊坂幸太郎重力ピエロラッシュライフ

【ストーリー】
 引っ越してきたアパートで、最初に出会ったのは黒猫、次が悪魔めいた長身の美青年。初対面だというのに、彼はいきなり「一緒に本屋を襲わないか」と持ち掛けてきた。彼の標的は―たった一冊の広辞苑。僕は訪問販売の口車に乗せられ、危うく数十万円の教材を買いそうになった実績を持っているが、書店強盗は訪問販売とは訳が違う。しかし決行の夜、あろうことか僕はモデルガンを持って、書店の裏口に立ってしまったのだ!四散した断片が描き出す物語の全体像は?注目の気鋭による清冽なミステリ。

【感想】
伊坂幸太郎。
彼が書く小説は、ちょっとした会話や出来事といったものの積み重ねで構成されるパズルだ。初めは良く分からない世界観に戸惑うけど、いつの間にか引き込まれていく。そして、物語がラストになると、バラバラだったピースがカチッとはまり、パズルが完成したときのような満足感に満たされる。

パズルの重要なピースは、話のそこかしこに出てくるちょっとした会話であったりするから、読み手としてはちょいと気が抜けない。

そして本作の重要なキーワードは
事件は裏口から起きるんだ。
という意味のわからないひと言。

物語の主人公は大学入学のために引っ越したアパートの隣人から「オレと一緒に本屋を強盗しないか?」と誘われる。主人公の役目は本屋の裏口の見張り番で、強盗自体はアパートの隣人がするという。そこで主人公は隣人に疑問をぶつける。
「裏口の見張りなんて要らないじゃないか?強盗中に本屋の店員が裏口から逃げ出したら、強盗としては仕事がしやすいじゃないか?」
と。そして隣人は
「事件は裏口から起きるんだ。
 だから裏口から逃げられないようにしなければいけない」
と答える。

読み手である僕も、本の主人公同様にさっぱり意味が分からない
この時点では。
でも、全てを読み終えると、隣人がこの言葉に込めた
切なく悲しい思い
が理解できる。

作風の軽さから、明るく楽しくポップな感じの展開を想像していた僕は、後半で明かされる過去の出来事の重さに、ちょっと突き落とされた気持ちになる。
なんだよ、そんな重い話を受け止める準備なんかしてねぇよ!
と。。。
してやられた、と思う。
まんまと作者の思惑にはめられたと。

そんな僕はこんなことを思う。
人生、一寸先は闇だ。
そして、人生は理不尽の塊だ。


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【関連商品】
アヒルと鴨のコインロッカー
アヒルと鴨のコインロッカー関めぐみ キムラ緑子 瑛太

おすすめ平均
starsかつて学生だった皆さん、これは泣けます。泣いて、そして感動できる傑作です。
starsミステリーとしても傑作、泣ける青春映画
stars切ないけど和む。
stars原作を裏切りません

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タグ:小説 感想
posted by 鉄蔵 at 02:04 | Comment(0) | TrackBack(0) | 本(小説)

2007年12月06日

OUT(桐野夏生)

OUT(アウト)
OUT(アウト)桐野 夏生

おすすめ平均
stars犯罪者たちの戦い
stars陰鬱でハード、読み応えのある小説
stars完璧な作品、見事な通俗性
starsIN(日常)からOUT(非日常)へ
stars危険な本

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【本】
 OUT (上)・(下)

【作家】 ※●は代表作
 桐野夏生
  ●水の眠り 灰の夢
  ●魂萌え !
  ●残虐記 など

【ストーリー】
 深夜の弁当工場で働く主婦たちは、それぞれの胸の内に得体の知れない不安と失望を抱えていた。「こんな暮らしから脱け出したい」そう心中で叫ぶ彼女たちの生活を外へと導いたのは、思いもよらぬ事件だった。なぜ彼女たちは、パート仲間が殺した夫の死体をバラバラにして捨てたのか?犯罪小説の到達点。'98年日本推理作家協会賞受賞。

【感想】
この先の目標も無ければ、
この先何かいい事が起きそうな期待もない。
信頼できる家族や友人もいなければ、
やりがいのある仕事や趣味も無い。
ただ、ただ、目の前にある今日一日を
どうにかして乗り越える。
そんな毎日の繰り返し。。。

そんな心が乾いた主婦たちが起こした事件をきっかけに、
つまらなく退屈だけど安定していた日常が
いとも容易く崩壊していく様を描いた小説です。

世の中の、どのくらいの割合の人が
いまの自分の生活や日常に満足しているのでしょうか?

実は「満足している」と答える人の割合って
恐ろしく低いんじゃないでしょうか?

私も満足していない内の一人です。
本当は
・もっと労働時間が短く、ストレスも少なく、
 それでいて給料はいま以上の仕事に就きたい。。。
・せめて半年に1回くらいは家族旅行しい。。。
なんて思う事がいっぱいあります。

でも、給料稼いでこないと家族が生きていけない。
だから一家の主たる自分は嫌な仕事から逃げ出せない。
じゃあ、仮に逃げ出せたら、30代半ばの自分に
逃げ先があるのか?と考えるとそれもかなり怪しい。
・・・。
なんか色々考えた結果、
オレの人生、もう充分追い詰められているんだな
と。。。

この本に登場するパート主婦は、
パート仲間が衝動的に殺してしまった夫の遺体を
バラバラにして処分する事でお金を得ます。
やがては、それを商売にまでしてしまいます。
それも様々な理由により生活に追い込まれた結果なのです。

生きるってことは大変だ。
そんな当たり前のことを、考えさせる一冊です。

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OUT
OUT原田美枝子 倍賞美津子 室井滋

おすすめ平均
starsブラックユーモアでつづられる女優たちの競演
stars熟女の恋
stars寛平ちゃんには★10個!
stars結構楽しめた。へたなハリウッド映画よりよっぽど良い。
starsサスペンスなのに

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タグ:小説 感想
posted by 鉄蔵 at 00:54 | Comment(0) | TrackBack(0) | 本(小説)

2007年11月10日

本所深川ふしぎ草紙(宮部みゆき)

本所深川ふしぎ草紙 (新潮文庫)
本所深川ふしぎ草紙 (新潮文庫)宮部 みゆき

おすすめ平均
stars実は相当緻密に構成されている
stars作者の本領発揮の短編集
stars7不思議
starsあっという間に読みました
stars宮部ファンならずとも・・・

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毛嫌いして、なかなか手を出さなかった
宮部みゆきさんの時代物小説に手を出しました。

微妙な昔ながらの言い回しに抵抗を覚えるんです。
例えば本書の2ページ目のこのセリフ、
おめえら、何をとんちきな話をしてやがるんだよ。

 。。。

 おめえら?

 とんちき??

 やがるんだよ???

言いたいことは分かりますよ、もちろん。
でも、すんなりと頭に入っていかないんですよ。
そんな印象・抵抗感があって、
これまでなかなか手が出ないジャンルでした。。。

まぁ、宮部さんの現代サスペンス系小説は大好きなので、
あえて読んでいて違和感(?)を覚える時代物を
好き好んで読む必要性を感じませんでした、、、これまで。
でも、いい加減読む本が少なくなってきたんです。
かれこれ10作品以上は宮部作品を読んで来て、
それら全てが現代小説でしたから。

。。。
前置きはさて置き、そんなこんなで
本所深川ふしぎ草子
を読みました。
江戸時代に広まった深川七不思議をテーマに、
もの悲しい人間模様が描かれています。

親子の思い、夫婦のすれ違い、片思い、などなど。
現代へと通じるテーマが、
江戸を舞台に七不思議という形を借りて描かれています。


==================
幼い頃お美津に受けた恩義を忘れず、
ほのかな思いを抱き続けた職人がことの真相を探る「片葉の芦」。
お嬢さんの恋愛成就の願掛けに丑三つ参りを命ぜられた
奉公人の娘おりんの出会った怪異の顛末「送り提灯」など
深川七不思議を題材に下町人情の世界を描く7編。
宮部ワールド時代小説篇。
==================

読んで思う事は、
 いつの時代も人間は人間。
  美しくもあり、
  卑しくもあり、
  悲しくもあり、
  切なくもある。
ということ。

所詮人は人。
いつの時代も大して変わりは無いものなんですかね?

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タグ:感想 小説
posted by 鉄蔵 at 02:25 | Comment(0) | TrackBack(0) | 本(小説)

2007年11月02日

龍は眠る(宮部みゆき)

龍は眠る (新潮文庫)
龍は眠る (新潮文庫)宮部 みゆき

おすすめ平均
starsうーん・・
stars宮部さんの小説で一番好きです。
starsSF色の強いミステリーです
starsおもしろかったです。
stars結局一人で生きて行くわけではないのだから

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宮部みゆき、という作家が私は大好きだ。
まだまだ読んでいない作品も多いが、
それでも10作品程度は読んでいる。
彼女の小説を読んでいつも驚かされるのは
二つとして同じ手法の小説が無いこと
だ。

あるときは主人公は犬であったり、
あるときはひたすら取調室での出来事であったり、
あるときは事件に関連する何十人もの
インタビューで構成されていたり。。。
彼女は「実験的作家」なのだ。
そんな彼女は常に新しい小説の形を試しつづけている。

だから今回の小説
龍は眠る
にも、読み手としては自然と期待が高まってしまう。
今回はどんな新しい小説の形を見せてくれるのだろうか?
と。

残念ながらその期待は裏切られてしまった。
この作品は少なくとも私にとって
「どこにでもある小説のひとつ」
でしかなかった。
特に小説としての目新しさもなく、
ストーリー自体も大して面白く感じなかった。

「超能力という特殊な力を授かった人間は、
 他人が思うような幸せな人生を送ることは出来ない。」
なんて、どっかの誰かもいっていそうなことを
相当長いページ割いて語ってくる。
しかもストーリーの中心となるある事件の真相ときたら
男と女のどーでもいいような企みだ。

天才打者イチローだって
打率10割じゃないことは分かっている。
この作品が「日本推理作家協会賞」なんて
大層な賞を受賞した事も知っていてあえて言う。
つまらねぇ。

と、そんな憎まれ口を聞きつつ、一方では
次はどの宮部作品を読もうかなぁ
と考えている自分がいる。
いままで色々な変化球に驚かされてばかりだったから、
いきなりの直球勝負に戸惑っているだけ?
なんてことも思いつつね。

一度好きになった人は、なかなか嫌いにはなれないものだ。

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posted by 鉄蔵 at 01:58 | Comment(0) | TrackBack(0) | 本(小説)

2007年10月25日

株価暴落(池井戸 潤)

株価暴落 (文春文庫 い 64-1)
株価暴落 (文春文庫 い 64-1)池井戸 潤

おすすめ平均
stars1冊で3度おいしい小説です!
stars金融推理小説
stars推理小説なのか経済小説なのか?いずれにせよ面白い
stars面白い!

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金融系サスペンス、とでも言うんでしょうかね。
「株価暴落」
は、ジャンル分けがチョット難しい一冊です。

===================
巨大スーパー・一風堂を襲った連続爆破事件。
企業テロを示唆する犯行声明に株価は暴落、
一風堂の巨額支援要請をめぐって、
白水銀行審査部の板東は企画部の二戸と対立する。
一方、警視庁の野猿刑事にかかった
タレコミ電話で犯人と目された男の父は、
一風堂の強引な出店で自殺に追いこまれていた。
傑作金融エンタテイメント。
===================

読み終わった後の満足感はなかなかの一冊です。

倒れかかった企業とそれを支えようとする銀行。
一方、企業を狙った爆弾テロが発生し、
その犯人と目された男は逃亡を始める。

爆弾テロというサスペンス面と、
銀行内で繰り広げられる支援継続派と打切り派の
せめぎ合いといった経済小説面が
うまく一つにまとまった面白い本です。
後半のどんでん返しは意外で予想を越えたものでしたしね。

高杉良さんの経済系小説が好きな一方で、
宮部みゆきさんのサスペンスも大好き。
そんな私には「一度で二度美味しい
ちょっとお得感のある一冊でした。

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posted by 鉄蔵 at 01:42 | Comment(0) | TrackBack(0) | 本(小説)

2007年10月03日

「はだかの王様」理論 姑獲鳥の夏(2)

姑獲鳥の夏 プレミアム・エディション姑獲鳥の夏 プレミアム・エディション
堤真一 永瀬正敏 阿部寛

ジェネオン エンタテインメント 2005-11-25
売り上げランキング : 15317

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昨日に続いて「姑獲鳥の夏」の読書感想文です。

=========================
この世には不思議なことなど何もないのだよ―
古本屋にして陰陽師が憑物を落とし
事件を解きほぐす人気シリーズ第一弾。
東京・雑司ケ谷の医院に奇怪な噂が流れる。
娘は二十箇月も身篭ったままで、
その夫は密室から失踪したという。
文士・関口や探偵・榎木津らの推理を超え噂は意外な結末へ。
=========================

作家、京極夏彦さんの第一作目にして、
大ヒット「京極道シリーズ」の一作目となる本作。
京極夏彦さんの本を始めて読む私には
うってつけの作品なんでしょう。

・・・。
いきなり色々と小難しい話が続きます。
お化けや妖怪の話とし始めたかと思ったら、
いつのまにか人間の脳の働きの話へ展開します。
あまりに話が難しすぎて、初っ端から置いてけぼりです。

でも、最後まで読み終わると気づくんです。
そんな小話の全てが、ラストの結末に向かって
描かれた伏線であったことに。

私なりに解釈して、簡単に言うと
はだかの王様
なんだな、と。人間は。
自分を守る為、はだかの王様を見ても
洋服が見えると言ってしまう。
そして、時にはありもしない服が本当に見えてしまう。
(王様ははだかだ!なんて言ったら殺されちゃうからね。)

人間は脳で処理された結果が全てです。
仮に脳が間違った結果を出しても、それを知る術はありません。
そして脳は人間の一部です。
仮に脳が出した結果が人間自身を追い込むとすれば、
それは即ち脳自身を追い込むことに他なりません。
だから、脳は自分を窮地に追い込ませないよう、
宿主である人間に不利な答えは自然と避ける
のです。

これがこの「姑獲鳥の夏」に描かれる事件の真相です。
私は説明が下手なんで、興味を持った人は是非読んでください。

通勤電車でだらだらと読書をする私には
ちょいとハードルの高い作品でした。
次に京極夏彦さんの作品を読む特は
家で落ち着いてゆっくり読める時にしようと思います。

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タグ:感想 小説
posted by 鉄蔵 at 01:31 | Comment(0) | TrackBack(0) | 本(小説)
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